【令和5年度版】住宅窓とドアのリフォームで最大140万円補助!「既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材)」ってどんな制度?

かつては新品の最新設備を備えていた住宅も、時間が経つにつれてキズが目立ったり、機能面を物足りなく感じたりするようになります。この記事を読んでいる方のなかにも、より住みやすい環境を整えるため、自宅のリフォームを検討している方がいるのではないでしょうか。

住宅を新築するほどではないにしても、リフォームにはある程度の資金が必要です。補助金や給付金があれば利用して、少しでも出費を抑えたいですよね。

そんなときは、「既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材)」の助成金を活用してみましょう!東京都内に在住していて、窓とドアのリフォームをする方に向けて最大140万円の補助を行う制度です。今回は、そんな「既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材)」事業の利用条件や工事の内容、申請の流れなどをまとめて解説します。

まずは「既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材)」の概要を理解しよう!

東京都では現在、都内に住宅を所有する個人と法人に向けて、「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」を展開しています。この事業の目的は、省エネ性・防災性に優れ、健康の維持にも効果的な住宅を普及させことです。

そして「既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材)」事業は、「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」のうち、窓・ドア等のリフォームを対象としている助成事業を指します。

「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」の令和5年度の総予算は496億円。窓・ドア以外にも、蓄電池、V2H、太陽光発電設備の設置などが対象になっています。災害対策や体調の安定に役立つリフォーム工事を、全面的にサポートする事業と言えます。

「既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材)」以外の事業については記事の最後で紹介しているので、合わせて確認してみてください。

出典:東京都住宅政策本部|東京都既存住宅省エネ改修促進事業
出典:東京都環境局|災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業
出典:クール・ネット東京:東京都地球温暖化防止活動推進センター|(令和5年度) 既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材) 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業

「既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材)」の助成対象になる工事は?

既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材)が対象としている工事は、高断熱窓・高断熱ドア・断熱材のいずれか1つ以上の設置です。助成を受けるには、条件を満たした工事を行う必要があります。まずは、2つの共通事項を紹介します。

  • 都内の既存住宅で、令和5年4月1日以降に高断熱窓・高断熱ドア・断熱材を設置する
  • 設置する高断熱窓・高断熱ドア・断熱材は未使用品である

上記2つの条件は、両方とも満たしておきましょう。工事内容ごとの細かい条件は、以下の表の通りです。

工事内容条件
高断熱窓の設置・1部屋以上のすべての窓に高断熱窓を設置する
※1部屋分の窓を全て改修すれば、他の部屋や廊下などの窓の改修は1枚以上で構わない
・国の「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」および「脱炭素化産業成長促進対策費補助金」で、補助対象となる窓かガラスを設置する
高断熱ドアの設置・東京ゼロエミ住宅指針の要件を満たす熱貫流率である
※熱貫流率の要件は、3.49 W/(㎡・K)以下
断熱材の設置・1部屋以上の外気に接する部分すべてに断熱材を設置する
・国の「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」で、補助対象になっている断熱材を使用する
・断熱材の抵抗値が天井2.7以上、外壁2.7以上、床2.2以上であること
※断熱材の抵抗値は(断熱材の厚さ÷熱伝導率の値)で算出
備考・高断熱窓の補助対象製品
北海道環境財団補助対象製品一覧
先進的窓リノベ事業補助対象製品一覧
・断熱材の補助対象製品
北海道環境財団補助対象製品一覧

高断熱窓の工事の対象製品は国の「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」と「脱炭素化産業成長促進対策費補助金」、断熱材は国の「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」の補助対象になっているものとありますが、補助対象であればどの製品でも助成を受けられるわけではありません。

「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」のうち断熱リフォームに関わるもの、「脱炭素化産業成長促進対策費補助金」のうち先進的窓リノベ事業に関わるものだけが助成の対象です。

もし現時点で対象となる製品の選別や数値の算出方法がわからなくても、まったく問題ありません。リフォーム工事を行う工務店がきちんと把握しているので、まずは相談をしてみてください。もちろんマイホームパートナーでも相談を受け付けています。

出典:クール・ネット東京:東京都地球温暖化防止活動推進センター|(令和5年度) 既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材) 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業
出典:クール・ネット東京:東京都地球温暖化防止活動推進センター|既存住宅における省エネ改修促進事業実施要綱

全部合わせると補助金が最大140万円に!上限額や助成率を解説

既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材)では、以下の2つの経費を助成の対象としています。

  • 材料費:高断熱窓・高断熱ドア・断熱材の購入経費
  • 工事費:高断熱窓・高断熱ドア・断熱材の設置や、それに付随する工事の経費

助成の上限金額も設けられており、高断熱窓・高断熱ドア・断熱材を合わせると、最大で140万円の助成金が受け取れます。それぞれの助成率や上限額は、以下の表の通りです。

工事内容助成率上限額上限額満額もらうのに必要な経費の額
高断熱窓の設置助成対象経費の3分の1
※1,000円未満切り捨て
100万円/戸300万円/戸
高断熱ドアの設置16万円/戸48万円/戸
断熱材の設置24万円/戸72万円/戸

例えば高断熱窓の設置の助成対象経費が200万円である場合、66万6千円が補助金として支払われます。本来200万円の3分の1は約666,666円なのですが、1,000円未満は切り捨てのため、66万6千円になります。上限額の100万円には達していないため、66万6千円は全額支払われます。

ただし、国が実施している「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」や「先進的窓リノベ事業」を使う場合は、助成される金額が変わる可能性も。表で紹介した助成率とは別の数字を掛け合わせたり、金額の比較をしたりして、小さい方の額を助成額として採用います。詳しい計算や金額の比較は工務店が行うため、まずは気軽に問い合わせてみることをおすすめします。

出典:クール・ネット東京:東京都地球温暖化防止活動推進センター|(令和5年度) 既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材) 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業

「既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材)」の助成の対象になるのはどんな人?

既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材)には、助成の対象者となるための条件が設けられています。助成を受けられるのは、下記のいずれかに該当する方です。

  1. 東京都内に住宅を有する個人、法人、管理組合
  2. 上記1と共同で申請するリース事業者

不動産のリース事業とは、地主から借りた土地で不動産会社が建物を建築し、利用者に長期的に貸し出す事業のこと。今住んでいる建物を自身が保有しているわけではなく、リース契約で在住している方も、リース事業者と一緒なら申請できます。心当たりのある方は、ぜひご自身がリース契約を結んでいる業者へ問い合わせてみてください。

出典:クール・ネット東京:東京都地球温暖化防止活動推進センター|(令和5年度) 既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材) 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業

タイミングに注意!「既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材)」の申請の流れ

「既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材)」の申請は、タイミングに注意が必要です。申請は、事前申込と交付申請兼実績報告の2回行います。まずは、それぞれの申請の受付期間を紹介しますね。

  • 事前申込:令和5年5月29日開始
  • 交付申請兼実績報告:令和5年6月30日から令和10年3月31日(17時公社必着)まで

特に、事前申込の申請のタイミングは要注意。事前申込を行い、受取通知をもらってから、工務店と契約を結んで施工することが条件に定められています。契約・施工が始まってから「忘れていた!」と慌てて申し込んでも申請を受け取ってもらえないので、気を付けてくださいね。(※事前申込の受付開始の時期の都合上、例外として令和5年4月1日~6月30日の間に、事前申込前に設備設置契約を締結した場合は補助対象になります。)

「既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材)」の申請の詳しい流れは、以下の通りです。

  1. 見積りを行う
  2. 「事前申込」を申請する
  3. 「受取通知」をもらう
  4. 業者と契約を結び、施工する
  5. 竣工したら、「交付申請券実績報告」を申請する
  6. 「交付決定兼確定額通知」を受け取る
  7. 助成金が支払われる

交付申請券実績報告の申請は、事前申込の申請をしてから1年以内に行う必要があります。例えば令和5年8月1日に事前申込した場合、交付申請券実績報告の期限は令和6年8月1日まで。リフォーム工事に充てられる時間は1年あるかないかくらいなので、業者と相談しながら工事計画を綿密に立てておきましょう。

「既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材)」では、書面だけでなく電子申請も受け付けています。手続きの時間の短縮もつながるため、東京都環境局は電子申請を推奨しています。

出典:クール・ネット東京:東京都地球温暖化防止活動推進センター|(令和5年度) 既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材) 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業

「既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材)」は他の事業と併用できるの?

住宅を新築するほどではないとはいえ、断熱機能を向上させるためのリフォームの経費を支払うのは大変です。他の事業や補助金と併用できたら、よりリフォームへのハードルも下がります。「既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材)」は、他の事業と同時に使うことはできるのでしょうか。

結論からいうと、国が実施している事業は可能、東京都が実施している事業は不可能です。「既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材)」は、東京都が実施している事業です。補助金のもらいすぎを防ぐため、同じところからは受け取れないようになっています。

それでは、併用できる国の事業とは、具体的にどのようなものなのでしょう。「既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材)」と併用できる主な国の事業は、「住宅省エネ2023キャンペーン」と「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」の2種類です。

「住宅省エネ2023キャンペーン」は国が行っている住宅省エネキャンペーン事業の総称。「既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材)」の内容と合致しているのは、「先進的窓リノベ事業」と「こどもエコ住まい支援事業」です。下の表で、「先進的窓リノベ事業」「こどもエコ住まい支援事業」「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」について簡単に紹介します。

事業名内容補助金の上限額
先進的窓リノベ事業先進的な断熱性能を持つ窓に交換するリフォームに対する補助200万円/戸
こどもエコ住まい支援事業子育て世帯・若者夫婦世帯の省エネ住宅の取得に対する補助
※リフォームの場合、子育て世帯・若者夫婦世帯以外でも補助を受けられる
30万円/戸
※子育て世帯・若者夫婦世帯の場合60万円/戸
既存住宅における断熱リフォーム支援事業エネルギー消費効率の改善と低炭素化の促進を促す断熱改修への補助戸建住宅:120万円/戸
集合住宅:15万円/戸
※「既存住宅における断熱リフォーム支援事業」を使って集合住宅の玄関ドアも改修する場合、補助金の上限額は20万円/戸になります。
※表作成のため省略した情報が多数ございます。詳しくは各事業の公式サイトにてご確認ください

「既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材)」に加え、国が実施している事業を使えるのはとても便利です。補助事業の併用を検討する場合は、できるだけ早いうちに工事を請け負う業者に伝えるようにしましょう。

出典:東京都住宅政策本部|東京都既存住宅省エネ改修促進事業
出典:先進的窓リノベ事業|事業概要
出典:こどもエコすまい支援事業|事業概要
出典:公益財団法人北海道環境財団|【全国対象】既存住宅における断熱リフォーム支援事業

【参考】「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」の事業一覧

冒頭でも述べましたが、「既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材)」は「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」が展開している事業の一部です。他にも蓄電池や太陽光発電設備などの設置をはじめ、省エネリフォームに役立ちそうなものばかり。ここでは、「既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材)」以外の事業を、簡単に紹介します。

事業名内容上限額
家庭における蓄電池導入促進事業蓄電池システムの設置にかかる費用の助成120万円
戸建住宅におけるV2H普及促進事業電気自動車・プラグインハイブリッド自動車用のV2Hを導入する方に、費用の一部を助成50万円
熱と電気の有効利用促進事業太陽熱利用システム、地中熱利用システム、エコキュートなどの設置にかかる費用の助成太陽熱利用システム:55万円
地中熱利用システム:180万円
エコキュート等:22万円
家庭における太陽光発電導入促進事業太陽光発電システムの設置にかかる費用、パワーコンディショナの更新にかかる経費への助成太陽光発電システム:45万円
※条件を満たすと上乗せも可能
太陽光発電システムに係るパワーコンディショナ更新費用助成事業太陽光発電システムにかかるパワーコンディショナの更新の費用への助成10万円
※表作成のため、省略した情報が多数ございます。詳しくは、各事業の公式サイトにてご確認ください。

蓄電池に電気自動車、太陽光発電システムなど、「災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業」が対象としているものはたくさんあります。業者と相談しながら、自分たちが行うリフォームにぴったりの事業を選んでみてください。

出典:クール・ネット東京 東京都地球温暖化防止活動推進センター|令和5年度 家庭における蓄電池導入促進事業 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業
出典:クール・ネット東京 東京都地球温暖化防止活動推進センター|【令和5年度】戸建住宅におけるV2H普及促進事業 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業
出典:クール・ネット東京 東京都地球温暖化防止活動推進センター|令和5年度 熱と電気の有効利用促進事業 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業
出典:クール・ネット東京 東京都地球温暖化防止活動推進センター|令和5年度 家庭における太陽光発電導入促進事業 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業
出典:クール・ネット東京 東京都地球温暖化防止活動推進センター|令和5年度 家庭における太陽光発電導入促進事業(太陽光発電システムに係るパワーコンディショナ更新費用助成事業) 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業

「既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア・断熱材)」でお得に自宅をリフォームしよう!

高断熱窓・ドアや断熱材を導入するリフォームと行うと、夏はエアコンの稼働率を削減し、冬は少ない暖房で温かく過ごせるようになります。長く住み続ける住宅なのですから、快適度がグッと上がるのは大歓迎ですよね。

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