【令和5年度最新版】東京ゼロエミ住宅の新築を最大210万円補助!東京ゼロエミ住宅導入促進事業について徹底解説

近年世界的な課題になっている環境問題。日本でも「SDGs」を掲げ、国や自治体が主体となってさまざまな省エネ政策を展開しています。地球の環境を改善しようとする動きを見ているうちに、「新しく家を建てるなら、環境に配慮できるものがいいな」と思うようになった方もいるのではないでしょうか。

東京都が展開している省エネ政策のひとつに、「東京ゼロエミ住宅導入促進事業」というものがあります。東京ゼロエミ住宅とは都独自の基準を満たす環境に優しい建物のことで、新築するだけで最大210万円の補助を受けられる制度です。太陽光システムや蓄電池システムと言った対象設備も同時に設置するなら、さらに補助金を受け取れます。

今回は、そんな東京ゼロエミ住宅導入促進事業の適用条件や補助金額などについて詳しく解説します。申請の流れ・税金の扱い・併用できる制度も紹介しているので、ぜひ省エネ住宅購入の参考にしてみてください。

東京ゼロエミ住宅導入促進事業ってどんな制度?概要を紹介

東京ゼロエミ住宅の新築を最大210万円補助!東京ゼロエミ住宅導入促進事業について徹底解説

東京ゼロエミ住宅導入促進事業は、東京都内で東京ゼロエミ住宅を新築する方に経費の一部を補助し、家庭のエネルギー消費量を削減することを目的としています。東京ゼロエミ住宅とは、断熱性能と省エネルギー性能が高水準な都内の住宅のこと。住宅に使用する材料や設備の条件を満たせば、補助金が給付されます。

まずは、そんな東京ゼロエミ住宅導入促進事業の概要を確認してみましょう。予算規模や補助対象となる条件を以下の表にまとめてみました。

予算規模約241億円(令和5年度)
補助対象者新築住宅の建築主(個人・事業者)
補助対象経費機器費・材料費・工事費
※補助の対象となる住宅の建設・設備の設置に限る
補助金額新築住宅一戸につき最大210万円
申請期間令和5年4月3日(月)~令和6年3月29日(金)

補助金額は新築住宅一戸につき最大210万円ですが、対象設備を購入・設置することで追加補助を受けられます。住宅の新築計画を立てる際は導入する設備の種類を検討し、追加補助を受けられるものがないか探してみてください。

出典:東京ゼロエミ住宅導入促進事業 助成金申請の手引(令和 5年度に新たに交付申請を行う方向け) Ver.5.4

210万円以上受け取れることも!東京ゼロエミ住宅導入促進事業の助成金について

東京ゼロエミ住宅の新築を最大210万円補助!東京ゼロエミ住宅導入促進事業について徹底解説

東京ゼロエミ住宅導入促進事業は、東京ゼロエミ住宅の新築に伴い、強い断熱性能を持った設備や、太陽光システム・蓄電池システムなども設置する人を対象とした制度です。東京ゼロエミ住宅を新築せず、設備のみを設置するのは補助の対象外となります。

東京ゼロエミ住宅を新築するだけで最大210万円給付されますが、実際は3段階の水準が設けられており、水準に応じて補助金額が変化します。水準ごとの東京ゼロエミ住宅の補助金額は、以下の表の通りです。

水準1水準2水準3
戸建住宅30万円/戸50万円/戸210万円/戸
集合住宅等20万円/戸40万円/戸170万円/戸

水準3の東京ゼロエミ住宅だと、水準2の4倍以上の補助金を受け取れます。それでは、水準3の東京ゼロエミ住宅とはいったいどのようなものなのでしょうか。以下の表で確認してみましょう。

水準1・窓を中心に断熱性能を強化
・エネルギー消費量を国が定める基準より35%削減できる
水準2・ZEH相当の断熱性能を備えている
・エネルギー消費量を国が定める基準より35%削減できる
水準3・北海道相当の断熱性能を備えている
・エネルギー消費量を国が定める基準より40%削減できる

水準1に関しては使用する設備を一覧から選択する等、分かりやすい仕様規定が設けられています。水準2・水準3の東京ゼロエミ住宅を新築する場合は、施工会社や不動産会社に問い合わせるのがおすすめです。

東京ゼロエミ住宅の新築に加え、指定された設備も導入すると追加で補助金を受け取れます。設備ごとの導入条件と補助金額を、以下の見出しで確認してみましょう。

出典:クール・ネット東京|令和5年度東京ゼロエミ住宅導入促進事業
出典:東京都環境局|東京ゼロエミ住宅とは? 
出典:東京ゼロエミ住宅導入促進事業 助成金申請の手引(令和 5年度に新たに交付申請を行う方向け) Ver.5.4

太陽光を電気に変える「太陽光発電システム」の導入

太陽光を電気エネルギーに変える太陽光発電システムは、東京ゼロエミ住宅導入促進事業の追加補助の対象になっています。住宅の種類や発電出力値によって上限額が異なるので、以下の表で確認してみましょう。

発電出力値住宅の種類発電出力に乗じる額上限額
3.6kW以下オール電化13万円/kW39万円
オール電化以外12万円/kW36万円
3.61~49.99kWオール電化11万円/kW550万円
オール電化以外10万円/kW500万円

例えば発電出力値3kWの太陽光発電システムをオール電化の住宅に導入する場合、13万円×3kWで上限額いっぱいの39万円が給付されます。

また機能性PV(東京都の地域特性に対応した製品)を導入した場合は、さらにkWあたり2万円もしくは5万円の追加補助も受けられますよ。機能性PVとは、小型のものや防眩性を備えたものこと。対象となる製品のメーカーや型番は、クール・ネット東京の「優れた機能性を有する太陽光発電システムの認定」から確認できます。

集合住宅で使える「太陽電池の架台」の設置

太陽電池を設置するときは、「架台」という金属製の構造物に太陽電池を固定して設置するのが一般的です。東京ゼロエミ住宅導入促進事業では、集合住宅を対象に太陽電池の架台にも補助金を給付しています。利用条件と給付される金額は以下の表の通りです。

利用条件・集合住宅の陸屋根に設置する
・未使用品である
・令和5年1月31日以降に交付申請している
補助金額・下記のうちいずれか小さい金額
・太陽光発電システムの発電出力×20万円
・架台の材料費と工事費の合計

例えば発電出力3kWの太陽電池を、架台の材料費6万円・工事費18万円で設置した場合、補助金額は24万円です。架台の材料費と工事費は発電出力値に応じて変化するので見積書をもとに計算してみてください。

非常時の備えにも!「蓄電池システム」も助成の対象

電気代の節約や非常時の備えのため、家庭でも普及しつつある蓄電池システム。使用する製品によっては本体と工事費で100万円を超えるケースもあり少々値が張る印象ですが、以下の条件を満たすと東京ゼロエミ住宅導入促進事業から補助金が給付されます。

  • 未使用品である
  • 蓄電容量1kWhあたりの機材費が20万円以下である

蓄電池システムにかかる補助金額は、設置する蓄電池の容量や太陽光発電システムの発電出力値によって異なります。以下の表で確認してみましょう。

蓄電池容量合計太陽光発電システムの発電出力値補助金額(最も低い金額を給付する)
6.34kWh未満-・助成対象経費の3分の4
・蓄電容量×19万円
・95万円
6.34kWh以上4kWh以下・助成対象経費の3分の4
・蓄電容量×15万円
・120万円
4kWh超・助成対象経費の3分の4
・蓄電容量×15万円
・太陽光発電出力×30万円

※助成対象経費とは、機器費および蓄電池システムの設置にかかる材料費と工事費のこと

蓄電池システムの蓄電容量が7kWh、太陽光発電システムの発電出力値が4kWh、助成対象経費が150万円だった場合、補助金額は105万円です。設置する機材の性能によっては70%近く補助されるので、積極的に活用しましょう。

電気自動車を家庭用電力として活用する「V2H」

V2Hとは、電気自動車に蓄えられた電気を家庭用電力として使えるようにするシステムのことです。日本では2035年までに乗用車の新車販売は電気自動車100%にすることを目標としており、電力の浪費の抑制に効果が期待できるV2Hにも注目が集まりつつあります。東京ゼロエミ住宅導入促進事業では、そんなV2Hの設置に対して以下のような補助を実施しています。

補助金額(最も低い金額を給付する)
V2Hのみ設置する場合・助成対象経費の2分の1
・50万円
・太陽光発電システム・電気自動車等と併せてV2Hを設置する場合
・既に太陽光発電システム・電気自動車等を導入できている場合
・助成対象経費の全額
・100万円

他の事業からも補助金を受け取った場合は、東京ゼロエミ住宅導入促進事業から受け取った補助金額を控除した金額が給付されます。他の事業と併用する際は、補助金を最大限受け取れるよう気を付けながら資金計画を立ててみてください。

令和5年度より変更あり|東京ゼロエミ住宅導入促進事業の申請の流れ

東京ゼロエミ住宅の新築を最大210万円補助!東京ゼロエミ住宅導入促進事業について徹底解説

東京ゼロエミ住宅導入促進事業の申請の流れは、令和5年度より変更があります。書類を作成・提出する回数が増えたので、手順をしっかりと把握しておきましょう。令和5年度以降の手続きの流れは以下の通りです。

  1. 住宅の建設・図書作成
  2. 「東京ゼロエミ住宅設計確認審査申請書」を作成・提出する
  3. 「東京ゼロエミ住宅設計確認書」を受け取る
  4. 「交付申請書」を作成・提出する
  5. 「交付決定通知書」を受け取る
  6. 工事完了
  7. 「東京ゼロエミ住宅工事完了検査申請書」を作成・提出する
  8. 完成した住宅の審査・現地調査を受ける
  9. 「東京ゼロエミ住宅認定証」を受け取る
  10. 「実績報告兼交付請求書」を作成・提出する
  11. 「助成金確定通知書」を受け取る
  12. 助成金が指定口座に入金される

東京ゼロエミ住宅の認証事項に関わる部分については、工事に取り掛かる前に東京ゼロエミ住宅設計確認の申請が必要です。タイミングを誤らないよう、スケジュール調整には気を付けてください。

何度も書類を作成・提出するのは大変ですが、住宅の購入者ではなく事業者が代わりに手続きしてくれることもあります。住宅の建設を依頼するときに、東京ゼロエミ住宅導入促進事業を使用したい旨を伝えるようにしましょう。

出典:クール・ネット東京|令和5年度東京ゼロエミ住宅導入促進事業
出典:東京ゼロエミ住宅導入促進事業 助成金申請の手引(令和 5年度に新たに交付申請を行う方向け) Ver.5.4

準備を忘れずに!提出書類一覧

東京ゼロエミ住宅導入促進事業を利用するのに必要な書類を以下の表にまとめました。提出必須のものと該当者のみ提出のものがあるので、一度目を通してみてください。

交付申請書
提出必須原本・提出書類チェックリスト
・助成金交付申請書
・交付要件等確認書兼誓約書
コピー・東京ゼロエミ住宅設計確認書
・工事請負契約書
・事業計画書
・本人確認書類又は実在証明書類
該当者のみ提出原本・手続代行に関する誓約書
・リース等事業者誓約書
コピー・東京ゼロエミ住宅設計変更確認書
実績報告・交付請求に関する申請
提出必須原本・提出書類チェックリスト
・助成事業実績報告書兼助成金交付請求書
コピー・東京ゼロエミ住宅認証書
・助成金振込口座番号等がわかる書類
該当者のみ提出原本・他の助成金に関する交付状況内訳書
コピー・住宅供給事業者が第三者に販売する際に当該住宅が本助成金の交付を受けたものであると提示する書面
・助成対象機器のリース等契約証明書
・機能性PVの型番が確認できる書類
・太陽電池の架台の設置に係る書類
・蓄電池システムの設置に係る書類
・V2Hの設置に係る書類

※上記以外の書類の提出を求められることもあります。

提出書類は東京ゼロエミ住宅導入促進事業の公式サイトからもダウンロードできます。締め切り間近で慌てないよう、早めに準備を進めておきましょう。

電子申請なら審査状況をネット上で確認できる

東京ゼロエミ住宅導入促進事業は、電子申請でも手続きを受け付けています。電子申請を選択すると、審査状況をインターネット上で確認できます。審査の進み具合をリアルタイムで把握できるので、「いつ審査が終わるんだろう」「書類に不備はなかったかな」といった不安を軽減できるでしょう。

電子申請を利用する際は東京ゼロエミ住宅導入促進事業の公式サイトから電子申請仮受付フォームに移動し、メールアドレスを登録します。申請する際はマニュアルが用意されているので、画面に表示されている枠を一つずつ埋めていきましょう。

申請時の注意点|書類の提出前にもう一度確認しよう

東京ゼロエミ住宅導入促進事業の申請手続きの注意点は以下の2点です。

  • 申請手続きの方法は途中で変更できない
  • 申請内容に変更が生じた場合は追加で書類の提出が必要

電子申請で手順2の「東京ゼロエミ住宅設計確認審査申請書」を提出すると、以降は紙申請ができなくなります。また申請内容に変更が生じたら、変更内容に応じた書類を作成して提出する必要があります。場合によっては一度申請を取り下げ、また一から手続きをし直す可能性もあるので、よく確認してから書類を提出するようにしましょう。

東京ゼロエミ住宅導入促進事業の助成金は所得税の対象になるの?

東京ゼロエミ住宅の新築を最大210万円補助!東京ゼロエミ住宅導入促進事業について徹底解説

会社からのお給料や不動産を売却したときの利益など、手に入れたお金に毎年課せられる所得税。東京ゼロエミ住宅導入促進事業の補助金は、所得税の対象になるのでしょうか?

結論から言うと、東京ゼロエミ住宅導入促進事業の補助金は所得税の対象にはなりません。所得税法第42条の「固定資産の取得又は改良に充てるための国又は地方公共団体の補助金」に該当するため、収入金額に加算しなくて良いのです。

東京ゼロエミ住宅導入促進事業の補助金は、組み合わせによっては数百万円にもなります。所得税を気にせず補助金を100%活用し、環境に優しい理想の家を造りましょう。

出典:東京都環境局|助成制度
出典:国税庁|No.2202 国庫補助金等を受け取ったとき

東京ゼロエミ住宅導入促進事業と併用できる制度とできない制度

東京ゼロエミ住宅の新築を最大210万円補助!東京ゼロエミ住宅導入促進事業について徹底解説

新築物件の建設・購入は、数千万円もするとても高価な買い物です。「できれば補助金制度を組み合わせて、少しでも家計の負担を減らしたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。

東京ゼロエミ住宅導入促進事業は、一部ではありますが他の事業と併用できます。以下の表に併用できるものとできないものをまとめたので、ぜひ参考にしてください。

併用可・地域型住宅グリーン化事業
・グリーン住宅ポイント制度
・こどもみらい住宅支援事業
・こどもエコすまい支援事業
・子育て支援型共同住宅推進事業
・東京ゼロエミポイント(冷蔵庫の買替のみ併用可)
・東京こどもすくすく住宅供給促進事業
併用不可・戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)化支援事業
・次世代ZEH+実証事業
・集合住宅のCO2化促進事業(ZEH-M)
・LCCM住宅整備推進事業
・高効率給湯器導入促進による家庭部門の省エネルギー推進事業費 補助金(給湯省エネ事業)
・東京ゼロエミポイント(エアコン・給湯器・LEDの買替)
・その他東京都環境公社(クールネット東京)が実施している、太陽光発電設備・蓄電池・エコキュート・エネファーム・V2H等に対する助成事業

「東京こどもすくすく住宅供給促進事業」は、対象となる住宅のうち東京ゼロエミ住宅導入促進事業の補助を受けない住戸や共用部分が対象です。

ほかの事業も、併用の対象となる条件が設けられていることがあります。詳しくは各事業の相談窓口に問い合わせてみてください。

出典:東京都環境局|助成制度

東京ゼロエミ住宅導入促進事業を上手に活用して環境に優しい家を建てよう!

東京ゼロエミ住宅の新築を最大210万円補助!東京ゼロエミ住宅導入促進事業について徹底解説

東京ゼロエミ住宅導入促進事業は、東京都内で環境に優しい家を建てるときにとても役立つ支援制度です。建てる物件の機能や導入する設備によっては数百万円もの補助金を受け取れます。

令和5年度の予算規模は約241億円です。申請期間内であっても申請総額が予算に達したら受付を終了するので、早めに手続きを進めるようにしましょう。東京ゼロエミ住宅導入促進事業を上手に活用して、快適さと省エネルギー性能を両立した素敵な家を建ててくださいね。

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